誰しも疲れが溜まったり、悩みを抱えていると、気持ちが沈み元気が出ないといったうつ状態になります。うつ状態自体は自然な心の反応でもあり病的なものではありません。しかし、うつ状態が続き、不安がどんどん大きくなって眠れない、何事にも気力が出ない、食事がおいしくない、など生活に支障のある症状が出現してしまうのがうつ病です。症状が進行すると、頭痛、めまい、動悸などの身体症状が続いたり、気持ちが不安定になり自分を責めたり、時には生きていること自体がつらくなってしまうこともあります。
うつ病のきっかけは人それぞれですが、うつ病になる方は真面目で周囲に気を使われる方が多く、ストレスをためやすい一方で、「私は大丈夫」とストレスに無自覚なまま無理を重ねる方も少なくありません。辛い出来事だけでなく、生活の変化や、身体的な病気、疲労などもうつ病のきっかけになることがあります。
うつ病の治療で大切なことは、心が休める環境を整えることです。お悩み事や、生活の状況をお聞きして、心を休ませるにはどうしたらいいか一緒に考え提案させていただきます。状況によっては抗うつ薬などのお薬を内服することが改善を早める場合もあります。お薬はご相談の上で最低限にとどめて処方いたします。
うつ病は誰もがかかりうる病気です。厚生労働省の調査によると、うつ病の有病率は6.7%と報告されています。しかし、うつ病でも受診されていない方も多く、実際にはさらに多くの方がうつ病に悩んでいる現状です。うつ病は治療を早く始めるほど、回復までの時間も早いと言われています。上記のような症状がみられる時や、普段の調子と異なり元気が出ない状態が続く時には、無理をせずに早めにご相談ください。