誰しも、気持ちが沈んでやる気が出ずに鬱々と過ごす日があったり、張り切ってあれもこれもと頑張る日があったりと、気持ちの浮き沈みを感じることがあると思います。嬉しいことがあった時には気持ちは弾みますし、辛いことや悲しいことがあれば重い気分になるでしょう。抜けるような青空に柔らかなそよ風が吹けば明るい気持ちになりますし、暗い空の雨の日には気持ちも晴れません。ある程度の気分の波は自然なものだと思います。

けれども、生活に支障が出てしまう程のうつ状態が続くかと思えば、一転して人並み外れたパワフルさで元気を通り越しトラブルに至ってしまう躁状態にもなるような激しい気分の波を認める場合には双極性感情障害の可能性があります。うつ状態、躁状態を繰り返し、生活に支障をきたす場合に双極性感情障害と診断します。うつ状態は、気持ちが沈む、やる気が出ない、楽しみや喜びを感じられないといったうつ病と同様の症状です。躁状態では、頭の回転がやたらと早くなりおしゃべりが止まらない、気分が爽快で何でもできるような気がする、寝る時間も必要としないほどエネルギッシュに活動する、気が大きくなり浪費や喧嘩などのトラブルとなる、イライラし怒りっぽくなる、などの症状があります。うつ状態、躁状態を頻繁に繰り返す場合もあれば、うつ状態のみを繰り返し時に軽い躁状態があるといった場合もあり、症状のパターンは人それぞれです。

双極性感情障害の治療は、気分の波のパターンを把握し、波に翻弄されずに生活を守っていくことが大切と考えています。気分の波をコントロールするには気分安定薬を中心とした薬物療法が有効です。うつ病の治療薬である抗うつ薬は気分の波を大きくしてしまう可能性があり注意が必要です。うつ状態で発症した場合、うつ病と診断され抗うつ薬が出される場合も少なくありませんが、気分の安定を得るためには双極性感情障害に適した薬物療法を行う必要があります。症状やこれまでの経過について丁寧にお聞きして、適切な治療法をご提案させていただきます。

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