忘れっぽくなった、知り合いに会ったが名前が出てこない、今までは出来ていたことが大変で億劫に感じる、などのお悩みはありませんか。またご家族の様子が以前と異なり、物忘れが目立つ、何となく元気がない、イライラして怒りっぽくなった、などの心配はありませんか。

年齢とともに足腰が弱ったり、白髪やしわが増えるのと同じように、記憶力や注意力などの脳の働き(認知機能)が低下することは、自然なことであり病気ではありません。しかし、認知機能の低下が生活に大きく支障をもたらす場合や、進行のスピードが速い時、年齢が若い方に認められる場合には認知症の可能性があります。認知症の初期症状は、不安、うつ状態、イライラ、性格変化、幻覚など様々な心の不調として現れることもあります。

認知症には代表的なものとして、アルツハイマー型認知症、レヴィ小体型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症、などがあります。アルツハイマー型認知症では短期記憶障害、レビー小体型認知症では幻視やパーキンソン症状、前頭側頭型認知症では怒りっぽくなるなどの性格変化が特徴的です。身体の不調から認知症のような症状が出ることもあります。特に急激に認知機能の低下を認めた場合には注意が必要です。うつ病などの精神的な病気の際にも認知症に似た症状を認めることもありますので、認知症が疑われる場合には身体的な評価や、その他の精神的な病気の評価も大切です。頭部CTなどの画像検査が必要な際には近隣の連携医療機関をご紹介いたします。

認知症の治療には、症状の進行を遅らせるお薬による薬物療法と、認知機能を維持するリハビリテーション、患者さんが安心して生活するための環境調整があります。不安やイライラなどの精神症状に対してお薬を処方することもあります。認知症の患者さんは、生活上の困難だけではなく、不安やもどかしさなど、精神的にもつらさを感じられています。また、介護するご家族も大きな苦労を抱えながら患者さんを支えられています。患者さんもご家族も安心して過ごせる毎日が症状の安定には最も大切です。対応の仕方を提案したり、訪問介護や通所リハビリ、ショートステイなど、患者さんにあったサービスを利用できるように、環境調整を行います。

日本の高齢化に伴い認知症の患者さんは増えています。2025年には700万人にのぼると予想されています。薬物療法やリハビリテーションにより症状の進行を遅らせ、健康的な生活を長く送ることが可能です。当院では患者さんお一人お一人のお困りの症状や、生活の上で苦労されていることをお聞きし、治療やサポート体制を整えるための提案をさせていただきます。気になる症状がある際にはお気軽にご相談ください。ご家族のご相談にも対応しております。

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