発達障害とは、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群、広汎性発達障害などと呼ばれることもあります)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害などの神経発達の特性の総称です。発達障害は生まれ持った特性で、基本的には個性の一つですが、社会生活上の問題となりご本人がお悩みになる場合に「障害」として対応を考える必要があります。自閉症スペクトラム障害では、対人コミュニケーションが苦手で独特のこだわりが強く周囲になじむのが難しい、ADHDでは不注意から忘れ物やミスが多く落ち着かない、などが社会生活上の問題となることがあります。また、職場や学校になじめない、対人関係に難しさを感じている、なんだか生きづらいと言ったお悩みに、発達の特性が関係していることもあります。
あくまで個性の一つですから、「治療する」ということではなく、ご本人の特性について理解を深め、良いところを伸ばし、社会生活上の問題となっている部分について環境調整を行ったり、対処法を考えることが診療の基本となります。抑うつやイライラ、不安などのこころの不調を伴う時には、一時的にお薬を処方することもあります。ADHDに関しては、不注意や多動、衝動性に効果のあるお薬もありますので、ご相談の上で処方が可能です。必要に応じて、発達特性に応じたリハビリテーションプログラムや就労移行支援施設をご紹介し、連携して治療を行います。
発達障害の診断には心理検査も参考になることがあります。当院では心理検査は行っておりませんが、必要な場合は提携医療機関をご紹介させていただいております。
以前に教育機関や医療機関にて心理検査を行ったことがある場合には結果をお持ちください。