眠れない夜、早く寝なくてはと焦ると余計に目が冴えて、もんもんとしながら何度も寝がえりを打っているうちに空が白んできてしまう。そんな夜はありませんか。眠れない夜の翌朝は、体も重く、頭もすっきりせず辛いものです。
遠足の前日に気持ちが高ぶって寝付けない、心配事にああでもないこうでもないと思いをめぐらせているうちに夜が明けてしまう、大事な予定がある朝にまだ暗いうちに目が覚めてしまう、などの経験は誰にでもあるのではないでしょうか。健康な人でも、眠りづらい日が時々あるのは自然なことですから特に心配はありません。目を閉じて体を休める時間を確保すれば、翌日も問題なく活動できると思います。
けれども、適切な睡眠がとれない日が続くと心と体は弱ってきます。安眠できない日が続き、日中の活動に支障が出てしまうと不眠症と診断されます。
不眠症の症状は人それぞれです。寝つきに時間がかかる入眠困難、夜中や早朝に目が覚めてしまう中途覚醒、眠りが浅く朝起きてもすっきりしない熟眠困難などの症状があります。不眠症の原因には様々なものがあります。ストレスや心配事、夜勤などの不規則なライフスタイルなどに加え、寝る前のお酒や、長時間のスマートフォンの利用なども不眠の原因となります。寒さ暑さ、急激な気圧の変化などの気候や、鼻づまりや体の痒みなどの身体的な問題も睡眠の妨げになります。また、うつ病などの精神的な不調の初期症状として不眠が出現することもありますので注意が必要です。
不眠症の治療は、まずは生活の状況やお悩みごとなどをお聞きし、原因を考えます。その上で生活習慣の改善や、睡眠環境を整えたりなど、生活の中でできることをご提案いたします。状況に応じて漢方薬や睡眠導入剤などのお薬を処方する場合もあります。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合など、より詳しい検査が必要な場合には専門機関を御紹介させていただきます。
快適な睡眠は健康的な生活のためにとても大切です。不眠にお悩みの際には眠れぬ夜を重ねる前にお早目にご相談ください。